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『スイミー』・群読で対比を浮きぼりにしよう


 高山佳己 トップHP

私は,杉山裕之氏の授業の終末に,群読することをすすめる。
読みの向上的変容がより自覚されるとともに,スイミーと赤い魚たちの対比が浮きぼりにされるという効果があるからである。



 「『追試』で国語が楽しくなる」(杉山・長島・生子共著 明治図書)の中で杉山裕之氏は,「スイミー」の授業実践を紹介している。
 杉山氏は,第一次で「読みを中心とした導入」として,次の二つの会話の文の読みの練習をさせている。

 授業では,
 A…スイミーがみんなに誘っているので,大きな声で元気よく読む
 B…魚たちが岩かげに隠れて,大きな魚に食べられないようにしないといけないので,ひっそりと小さな声で読む
ことに気付かせ,読みの向上的変容を促す組み立てになっている。

 私は,この杉山氏の授業の終末に,群読することをすすめる。    
 読みの向上的変容がより自覚されるとともに,スイミーと赤い魚たちの対比が浮きぼりにされるという効果があるからである。       

 以下,その群読の実践を紹介する。

指示 真紀さんがスイミー役でAの文を読みなさい。         
    1班(5人)は,赤い魚の役でBの文を読みなさい。 

 真紀さんは,張りきって元気よく読む。1班は,声を落とし小さな声で読む。
 私は,「○です。100点の読みです。」と評した。

指示 今度は,Bの文を1班と2班で読みなさい。  

 子供たちは,乗り気である。(いい評価を得たいからだろう)
 1班と2班の10人の子供たちは,前にも増して注意深く静かに読む。
 私は,「いいですねえ。これまた100点です。」と言う。

 このようにして,Bの文を読む子供たちを増やしていく。
 1,2,3班,1,2,3,4班……というように。
 不思議なことに人数が増えれば増えるほどBの文を読む声は,静かに小さ
くなっていく。もちろん,教師は,その都度,大げさにほめる。

 最後は,A…真紀さん
       B…1,2,3,4,5,6,7班(39人)
となった。
 Aは,一人で元気。Bは,39人もいるが,みんなかすれるような小さな声である。
 私は,「4組,100点満点のすてきな読みです!」と言って,授業を終えた。
 時間にして5分程度である。